古代の叡智地球世界思想・哲学・秘教の学問

ルドルフ・シュタイナーの罪

皆さんも「ルドルフ・シュタイナー」の人智学、不思議でオカルト的な世界について、読んだり聞いたりしたことはあると思います。

シュタイナーより以前、神智学協会を設立した「ヘレナ・ブラヴァッキー婦人」がおります。彼女の思想はその後の精神世界、歴史をも動かす水面下での影響を与えるほどになった霊的な思想の系譜です。ヘレナ・ブラヴァッキーはインドに渡り、インドの霊的指導者である”クートフーミ”から古代の知恵を授かり「マハトーマ=偉大なる魂」の秘儀やインド哲学、ヴェーダ、ヒンズー教などの教えを受けてのち、神智学を設立したといわれています。

「物質文明から精神世界へ」という著書や「アーリアン学説」という宇宙進化論を描く壮大な世界観のなかで、「アーリア人こそが霊的な進化の頂点に立つ。」「アーリア人はヒエラルキー階層の第5階層にある。」「大西洋にあったアトランティス大陸の『第4根源人種』から進化した『第5根幹人種』がアーリア人種である」というようなことを説明したことで、それをどう解釈するか問題が起こりました。

言語学者やナチズム研究者によると、この「アーリア人」というのは「ドイツ民族」のことをさしているわけではなく、もともと「アーリア人種」というのは「言語学」としての概念で、「インド・ヨーロッパ語族」という意味だったものを、生物学的な人種論領域に移し替えてしまったのだ。と説明しています。

神智学によると、人間は多次元的な存在であって、もとからアストラル界やメンタル界でも生きていて、さらにより高次な次元へと進むと「月」のアストラル的な光の領域を通過する道へと向かい、そこでは高貴なメッセンジャーがイマジネーションを正しい方向に解釈できるよう、導いてくれるのだ。というように、占星学的で超自然的精神世界のことが書かれています。

ドイツのシュタイナーはそれを受け継いで「人智学」を設立したわけです。「人智学」とは「アントローポス+ソフィア=人類と知恵 アントロポゾフィ」なのだそうです。

このシュタイナーの理論は、ドイツナチス思想、ディープエコロジーに大きな影響を与えることとなってしまいました。そのことを見なかったことにはできません。「バイオ・ダイナミック農法」という有機農業の土台になった思想です。

「ディープ・エコロジー」とは


●自然との共生
●ドイツの農民は貴族であり、民族の血を新鮮にする源泉
●ドイツ農民の本来の気質は蘇るべきで、農民の背後には自然と血に根差した「真の信仰」の力が潜んでいるのだ
●ゲルマン=ドイツ人にとって、自然とのつきあいは深遠な生命の欲求であり、その景観こそドイツ民族の「本質の徴」である

「バイオ・ダイナミック農法」とは

●生命力をもつ「堆肥」の使用を軸に捉えた農法
●占星学的な超自然的な精神、惑星が人間や植物に働きかけて作用する
●世代を超えて受け継がれる農業カレンダーと自然現象とを本来は一つの流れとして、循環課程をなして自己完結できる農業(地産地消)
●手作業が大事である
●理想の農場とは、農業に必要な植物や動物だけでなく、バクテリアや森、湿地などすべてが調和した「生態系」として成立していること
●自然界は4つの次元にわかれている
 「鉱物的世界…ミネラル、死」
 「エーテル的生命世界…生きたもの(植物)」
 「アストラル的魂世界…意識の目覚め(動物)」
 「自我の世界…動物と違い『記憶』を可能にする(人間)」

ナチスは、ヒトラーやヴァルター・ダレーを中心に「緑の党」をくみ、「人間中心主義」から「生命圏平等主義」へと目指すという洗練された思考をもとに、世界征服という目的を達成するための手段として「自然」や「景観」「BD農法」を利用しました。ハインリヒ・ヒムラーやコンラート・マイヤーをはじめ、シュタイナーから直接頼まれたという人智学徒のエアハルト・バルチェは「植物が土壌を作るんだ!」という有機農業の重要な基本原則を主張していきます。

そしてシュタイナーの「BD農法」の理論は、バルチェだけでなくナチ党の親衛隊だったボイムラーやほかのメンバーにも影響を与え、つまり「利用するきっかけ」を与えてしまい、「教育改革」や「医療改革」へと用いられることにもなったわけです。

私はシュタイナーというよりブラヴァッキー婦人の色々な理論を読んできましたが、彼女は「伝えてはいけないこと」を世の中に開示してしまったように思います。「オカルト」というのは「隠されている知恵」というものです。それはメタフォリカルには土の中にあるからこそ根っこなのであり、植物が育つための栄養を吸い上げる土壌です。
シュタイナーの罪でもあり、ブラヴァッキー婦人の罪でもあると思います。

主張していることが正しいとか間違いだとかいう議論は意味がありません。
問題はそのことが、ナチスにも利用されてしまったこと。そして近代の「精神世界」所謂「スピリチュアル」界隈にも大きな影響を今も与え続けている。ということです。


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