錬金術を知ろうとするとき

これを読まれている人は、錬金術についての処方や象徴図、
説明が、何よりもまず『寓意的な象徴』にすぎない!

ということを心に留めておくことが大事です。

なぜならその秘教的な意味を理解しなければ、
文字通りの解釈をしても、全然役に立たない上に、
まったく意味をなさない!ということになるからです。

錬金術的な処方では、何かひとつ重要なところが、
意図的に省略されているのです。

それはそこに欠けている元素や手順を発見することが出来ない者や、
寓意を読み取る心がない者に、
「自然界」に満ちている力を意のままにすることができるような、
秘法ともいえる「術」の奥義を委ねることは出来ない。
と考えていたからなのです。

中世の錬金術師らは、本物の黄金の抽出に成功したといいます。

心の変容過程は、自然界の中にあるすべての存在を受け入れたとき、
共時性が働いて現象と応答するといいます。

愚かな人間には決して得ることができない宝を伝える方法は、
たとえ神秘と寓意に満ちているものであっても、
導師の導きがあれば、必ずや実現するものであることを知っているものにだけ理解できるとして隠されているものなのです。